総務省が「2015年世界無線通信会議(WRC-15)に向けた我が国の暫定見解(案)に係る意見募集」を開始した。暫定見解を読んだところ、5MHz帯のアマチュア局への開放について「新規分配については、適当でない」と結論づけている。
5MHz帯をアマチュア局に開放している国が増えてきており、わが国も開放に積極的な姿勢に変わってもらいたいので、非常時の国内通信の観点で下記のような意見書を提出した。
要約
本周波数帯を日本のアマチュア業務に開放する見解を表明するよう求めます。
理由
本周波数帯は、昼夜、季節を問わず日本国内の通信を確保しやすい特性を持っているので、非常時などにアマチュア局が行う通信に有効に活用することを期待できます(注1)。
具体的な用途としては、大地震、台風、豪雪などの災害時には、安否確認や各種支援の要請が想定されます(注2)。より日常で起こりえる道路や橋の決壊、通信ケーブル切断、長時間の停電による携帯基地局停止などでは、孤立地域との通信の確保が想定されます(注3)。
ついては、本周波数帯をアマチュア局に開放することは、幅広く国民に利便性をもたらすものなので、日本のアマチュア局への開放に向けた積極的な姿勢で見解を表明することを求めます。
注釈
注1 一例として、キューバは本周波数帯を、台風などの災害時に活用していると聞いています。
注2 東日本大震災のときは、短波帯では主に7000kHz帯で災害支援の通信が行われましたが、夜間はスキップゾーンによる通信不能が生じたと聞いています。本周波数帯を使うことでスキップゾーンを回避できると考えられます。
注3 本年12月の2回の豪雪により、電気通信事業者の通信が途絶し、連絡不能となった集落が多数ありました。このような見通し通信が使えない山間地が日本には多く、本周波数帯を利用した安否確認の手段は効果的と考えられます。