停電したことを知らせるLED表示器を以前に製作し、問題なく使っていた。ところが先日、スカパープレミアムチューナーに「停電が原因で録画中断」のエラーが記録されていた。停電検出器のLEDは不灯(停電なし)だが、装置が壊れているわけではなかった。
おそらく商用電源に瞬断(瞬低、瞬停)があり、スカパープレミアムチューナーは停止したが、停電検出器が瞬断を検出できなかったのだろう。そこで停電検出器が検出できる瞬断時間をオシロスコープで測ってみた。
下記が計測中の写真。赤プローブは商用電源の電圧を測定する高圧プローブ。黒プローブは停電検出器のリレー接点の電圧を測定している。
商用電源を手動ですばやくオフ→オンし、このタイミングでオシロのトリガーをかけた。なんども繰り返したところ、商用電源を310ms瞬断させると確実に検知できるとわかった(下図)。赤が商用電源の電圧(右縦軸)、青がリレーの電圧(左縦軸)である。商用電源が310ms瞬断し復旧(復電)し、リレー電圧は約5Vから0Vになり、その状態を維持したので停電検出に成功している。
一方で、瞬断が220~260ms程度だと停電の検知が曖昧になることがわかった(下図)。瞬断でリレー電圧が下がるが、復電後に約5Vに回復しており、停電を検出できていない。検知できることもあるので曖昧である。
310ms以上の瞬断は検出できるが、それ以下の場合は検出できたりできなかったりすると理解しておけばよさそうである。今回はここまで。
より短い瞬断も検出する改造として、いちばん最初に試すべきはACアダプター内部の平滑コンデンサーを取り外すことだろう。停電後150ms電圧を維持しているのは平滑コンデンサーの働きだろうから、この分を減らせるかもしれない。