「キイハンター」の和文モールス聞き取り

「キイハンター KEYHUNTER」(TBS系、東映制作) といえば、 1960年代から1970年代にかけての大人気ドラマ だった。千葉真一は格好よかったし、野際陽子は魅力的だった。小学生だった当局も、土曜の夜はテレビにかじりついて観たものである。


いまでも東映チャンネル(スカパー)で毎週2話ずつやっていて、先日たまたま「#61 荒野の殺人紙幣」を見たところ、CWで助けを呼ぶシーンがあった。下は、キイハンターのメンバーがCWを受信しているシーンである。ちなみに、真ん中あたりの縦長の装置が無線機という設定で、ドラマ中では短波無線機と呼んでいたが、CBトランシーバっぽい。

風間(千葉真一の役名)は無線機から流れるCW音を聞きながら「SOS 富士山麓ホテルマウント富士へ急行せよ」と読み上げていた。そのCW音はちゃんとした和文モールス符号ではないか!! 日本のドラマのCWはなんちゃってのデタラメが多いが、キイハンターはしっかり作り込んでいたのだ。

150CPMぐらいでけっこう速い。何度か聞き直したところ「SOS フジサンロク ホテルウントフジへ キユウコウセヨ」だった。惜しい!!、打ち間違えている。(・--・)と(-・・-)の取り違えってやりがちですものね。

50年前は、ようやくアマチュア無線への興味が出てきたころで、CWの聞き取りはまったくできなかった。50年を経て、CWを身に着けて新しい発見ができたのは実に楽しいことだ。もしかしたらアマチュア無線界では、オンエア直後に話題になった有名な話なのかもしれない。

ドラマのCW部分の音ファイルはこちら → keyhunter61CW.mp3

JARL90周年記念局と全局交信→アワード申請してみた

JARL創立90周年特別記念局のすべてと交信できたので、JARL創立90周年記念アワード90賞を申し込んだ。90賞は90局との交信で申し込めるが、JARL創立90周年特別記念局は9局相当としてカウントする。つまり、JARL創立90周年特別記念局10局すべてと交信すればもらえるようになっている。電子申請してから10日で届いた。以下が提出した交信リストと、届いたアワード証明書。jarl90awardlist

jarl90award

 

 

 

Wi-FiモジュールESP-WROOM-02最初の実験

片手持ちCWパドルの無線化が滞っていたが、再挑戦できそうになってきた。

無線ユニットの前回の候補はTWE-Lite DIP。これは技適取得済みのZIGBeeでなかなかよさそうだったのだが、ソフトウェア開発のためにはライブラリなどの使い方を勉強する必要があったのでそのままになってしまった。

そうこうしているうちに、Arduinoでソフトウェア開発でき、技適取得済みのWi-FiユニットESP-WROOM-02が超お手頃価格で出てきたのに気付いた。

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ESP-WROOM-2ボードはいろいろあるが、秋月電子のDIP化キットを購入した(650円/個)。左が表面で、右が裏面。ワイヤレスCWパドルの送受信機用に2つ購入した。

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ブレッドボードに組んだところ。ESP-WROOM-02は電池で駆動している。ESP-WROOM-02の右は、リセット用のタクトスイッチ。その右はシリアル-USB変換。PCでArduino IDEを開き、シリアルモニタでATコマンドを入れて、USB経由でESP-WROOM-02と通信する。これで、動作確認と初期設定がぶじ完了した。

 

動作させるまでにハマったのは、ジャンパの設定。Flash Boot Modeで起動するには、IO0=HIGH(10kΩプルアップ)、IO2=HIGH(10kΩプルアップ)、IO15=LOW(GND)が必要だった。

上記ジャンパなしで起動すると、74880bpsで下記エラーが表示されてATコマンドを受け付けない。

ets Jan 8 2013,rst cause:1, boot mode:(7,0)
waiting for host

CWパドルを操作するときのタイミング

 

cwtiming

CWパドルを操作するとき、実際にスイッチをオン/オフしている時間を図に描いて考えてみた。

CWパドルを想定しているので、1短点を2単位時間として表現した。するとPARISは100単位になった。20WPMでは、これが1/20分ということになる。換算すると、1単位=30msになる。

4倍程度の安全率を見込んで、7msごとにパドルの状態を伝送すればいいのではないだろうか?

ZigBee TWE-Lite DIP伝送遅延を測定

P1010005-2ZigBee TWE-Lite DIPの伝送遅延がどれほどのものかを測ってみた。

オシロスコープを利用し、Achを送信側のスイッチに接続して、ON/OFFをトリガとする。Bchを受信側につなぎトリガからの時間を計測した。latency-onoff

その結果がこちら。伝送遅延は31~66ms、最頻は約45msだった。取説によると、出荷時に組み込まれているプログラムは「0.03秒ごとに通信している」という記載があるので、その通りの結果が出たと言える。

当局は18~20WPMでCW通信している。そのときCWパドルのキーさばきは30msより短いような気がする。まずは、CWパドルのON/OFFタイミングを定量的に検討した方がよさそうだ。

ちなみにZigBee TWE-Lite DIPは、プログラムを書き換えることができ、書き換えても技適の対象なので、このままムダになることはないだろう(期待)。

片手持ちCWパドル完成(有線版)

片手だけで保持と操作のできるCWパドルの本番用を作成した。試作版は発泡スチロールだったが、本番用はバルサを加工した。

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10mmのバルサ3枚を重ねて、手のひらの形に削った。ビスを抜くと、配線部にアプローチできるようにした。

 

onehandcwpaddle

CWパドルを回転させて撮影してみたが、動画の方がわかりやすいし、操作しているときの雰囲気も伝わる。

 

動画のように、歩きながらCWで交信することもできるし、寝っ転がってのCWラグチューもできるようになった。次は、このCWパドルのワイヤレス化をしようと思う。

 

ZigBee TWE-Lite DIPの最初の実験

グリップCWパドルの試作をのんびり進めているが、ゆくゆくはワイヤレスのCWパドルに仕上げたいと思っている。ワイヤレスの方式としては、容易に思いつくのが、①超音波、②光、③無線である。超音波については、QST 2015/5で紹介されている。光は、商品も販売されているし、2006年に米特許も公開されている。当局の場合、屋外や車内のうるさくて明暗の変化が大きい環境でも使いたいので、最初から無線でやることにした。

TWE-Lite DIP-PCB最も手軽そうなのが、東京コスモス電機株式会社(Tocos) ZigBeeワイヤレスモジュール TWE-Lite DIP-PCBだった。さっそく秋月電子で1945円×2セット買ってきた。

TWE-Lite はZigBeeの無線ユニットで、親子間双方が同時に、デジタル接点入力×4、アナログ量入力×4、UARTを伝送できる。技適を取得しているので堂々と使える。

TWE-Lite DIP-PCBまずは取説のサンプル通りにブレッドボードに回路を組んでみた。左(親機)のタクトスイッチを押すと、右(子機)のLEDが光る。これはデジタル接点の伝送である。右の半固定抵抗を回すと、左のLEDの明るさが変わる。これがアナログ量の伝送である。

どれほど遠くまで届くかは試せていないが、とりあえず障害物なしで5mは問題なく届く。実使用を想定して、親機を手で握りこみ、子機との間に人間の身体があるという状況でも問題なかった(距離は1m強)。ここまではワイヤレスCWパドルに使えそう。

片手持ちCWパドル製作(試作編)

形状検討編からの続き。タクトスイッチ2つを無線機と接続して、実際の操作感を確認してみた。

その結果、2つのことがわかった。
①キー操作は、親指・人差指ともに、第一関節付近で押す方が操作しやすい。
②操作力0.5Nのタクトスイッチを使うと、ぼぼ無音のCWパドルになる。操作力1.5N程度のタクトスイッチを使うと、カツミのCWパドルのようなクリック感と操作音となる。

パナソニックの0.5Nのタクトスイッチが当局の好みだったので採用した。

試作CWパドル操作中

試作したCWパドルを操作中。第一関節付近でタクトスイッチを押す。

 

 

 

下記は、操作の様子の動画。文章や写真より、動画で見る方がわかりやすい。

つぎは、本番用のグリップ素材探しをしようと思う。

片手持ちCWパドル製作(形状検討編)

手持ちで操作するCWパドルに興味がある。以前作ったLAN延長コネクタ利用の超小型CWパドルは、右手で持ちながら左手で打つような使い方だと、メモ書きやPC操作が同時にできない。CWパドルをテーブルなどに固定すると、立ったままや歩きながら使えない。CWパドルを無線機に固定する方法だと、無線機との位置関係が固定される。

つまり自分がほしいのは、片手だけで保持と操作ができるCWパドルということになる。さっそく発泡スチロールにタクトスイッチを貼り付けて、形状の検討をしてみた。

パターン1 横打ち

第1案はピストル型グリップの左右にタクトスイッチを付けたもの。親指と人差し指を、通常のCWパドルと同じように操作する。横から見るとこんな感じ。

 

 

 

 

 

 

パターン1 横打ち

上から見たところ。指を伸ばして操作することを意識した。

 

 

 

 

 

 

 

 

パターン1 横打ち

前から見たところ。指使いを試したところ、PやXのように親指と人差し指を交互に操作する打鍵がうまくいかない。パドル全体が左右に揺れて、微妙な操作がやりにくい。

 

 

 

 

 

 

パターン2 押し込み型
そこで第2案として、厚めの発砲スチロールを、握った手のひらの形に削って、銃の引き金と撃鉄の位置にタクトスイッチを付けてみた。親指と人差し指の力のかかる方向が約45度ずれているので、親指と人差し指を交互に操作しても、互いの影響を受けにくい。

この形がよさそうなので、仮に配線して、本当にCWが打てるのかや使いやすさを確かめようと思う。

 

“LAN延長コネクタ”でCWパドル自作(リバース機能付FT-817用)

これまで持ち歩き用のCWパドルをいくつか自作した。紙クリップを使うタイプは簡単に作れてよいが、操作のカッチリ感と耐久性に乏しいので使い捨て感覚になる。板金をボルトで締め込むタイプはがっちり作るほど大きく・重くなるので固定局向きか。

簡単に作れて耐久性もそこそこあり、小型軽量で持ち歩き向きという虫のいいCWパドルは作れないだろうか?と考えて、今回はFT-817用に「LAN延長コネクタ」を使ったCWパドル、しかもリバース機能付きというのを作ってみた。

FT-817(やいくつかの機種)では、マイク本体とマイクケーブルはLANコネクタ(通称RJ45)で接続されている。そして、マイクについているボタンをCWパドルのキー代わりに使うことができる。これら2条件を満たす機種なら、LANケーブルの延長コネクタをマイクケーブルに挿せばCWパドルになるはずというのが発端である。

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完成したのがこちら。実際にはLAN延長コネクタを右手で持ちながら左手でパドル操作をする。CWパドルの左右を入れ替えるリバース設定を行うときは、延長コネクタの反対側にマイクケーブルを差し替える。左右のタクトスイッチの位置が前後にずれているのは、リバースしたときでも指の位置が変わらないようにするため。

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用意するのは、LANケーブル延長コネクタ(写真左)とタクトスイッチ(写真右)。LAN延長コネクタはダイソーで105円。タクトスイッチは軽い操作力で動作するものの方がよい。今回はホームセンターで3個入りのものを189円で買った(使うのは2個)。

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LANの延長コネクタは真ん中でパッチン嵌めになっているので、引っ張って分解する。配線を真ん中で切って2つのパーツに分離する。

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①タクトスイッチを取り付けるために、LAN延長コネクタの側面に穴を4つ開ける。②タクトスイッチの足2本に細い線をハンダ付けする(今回使用したタクトスイッチでは1、3番)。③瞬間接着剤でタクトスイッチをケースに接着する。④配線する(タクトスイッチ2個とも①から④の手順で作業。タクトスイッチの取り付け位置は次の写真を、配線は配線図を参照)。

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タクトスイッチの取り付け位置。LAN延長コネクタの内部の部品と干渉しなければどこでもよい。

 

 

CWhaisen

 

 

 

 

リバースできるようにするための配線図。

 

 

 

 

 

 

使い勝手&考察・・・これ以上ないほど小型軽量なので持ち運びが楽。接点や配線が露出していないので壊れにくい。タクトスイッチなので、歯切れ良い操作感でCWが打てる。今回使ったタクトスイッチは、操作力が1N程度だと思うが、0.5Nのものを使えば、さらに操作感をよくできそう。タクトスイッチを4つつけて、①リバースしても左右の指の位置がそろう、②右打ち/左打ちのどちらの人でもLAN延長コネクタの天地をひっくり返さないですむという発展形があるだろう。リバース機能なしでよいなら、①LAN延長コネクタの半分だけで超小型化志向のものを作る、②左右の指の位置がそろう位置にタクトスイッチを取り付ける、という方向性もあるだろう。