単三1~12本で使える万能電池ボックス製作

Elecraft KX-3もFT-817NDも、内蔵電池での運用には、電圧と電池容量の使い切り面で不満を感じることがある。あと2~4本の電池を追加できたら、電圧を上げて無線機本来の出力が得られるのにとか、電池の終止電圧になる前に無線機が低電圧で動作しなくなることを防げるのに、と思う。

そこで、単三のニッケル水素充電池やアルカリ乾電池用の電池ボックスを製作することにした。最大で単三×12本まで入れられるようにしたいが、簡単に手に入るプラスチックの電池ボックスだと、端子の接触抵抗が大きく、無線機に必要な2A程度の電流を取り出すには向かないような気がした。

電池の本数が多い場合、電池ボックスをどうするべきかをググったところ、秋月で売っている電極部だけの端子「金属電池基板取付用ターミナルクリップ 単3用」を使うのがよさそうだった。単価20円なので、電池12個分は+端子が12個、-端子が12個で合計24個=480円と安上がりである(商品に、+用・-用という区別はない)。

基板取付用電池クリップ

 

秋月電子通商「金属電池基板取付用ターミナルクリップ 単3用」。すべて金属製。2本の足を基板の穴に差し込んで曲げて固定する。

 

 

 

電池に装着したところ

 

 

ターミナルクリップを電池に取り付けてみたところ。

 

 

 

 

完成した電池ボックス

これが完成した電池ボックス。ベーク板に穴を開けてターミナルクリップを取り付け、ベーク板の裏側で銅線をはんだ付けした。

製作時には、問題も発生した。多くの電流を取り出すには、電池と強く接触するようにしたい。そのためにターミナルクリップを機械的にしっかりとベーク板に取り付けようと、足を曲げたところ、簡単に折れてしまうのである。曲げ角度と曲げ加工時にかける力の限界がわかるまでに20個ほど失敗してしまい、安く作れるという願望は消えた(笑)

この電池ケースには、単三電池を最大12本まで入れることができる。11本以下の電池のときは、みのむしクリップで空き電池部分をバイパスできる。実際に無線機で試したところ快適に使える。

ただし、期待したほどにはターミナルクリップを電池の端子に強く接触させることはできなかったので、電流を取り出すには限界がある(安い市販の電池ボックスよりは、ぜんぜんいいだろうが)。足をベーク板に固定する力が弱いことと、ターミナルクリップが意外と柔らかいためだろう。1Aなら問題なし、2Aだと影響はあるが妥協できる、試していないが3Aは接触抵抗の悪影響が出るというあたりか。2A程度までの用途で活用しようと思う。

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