7MHzフルサイズダイポールアンテナ試作

①ヘアピンやコイルでのマッチングと、②NVISの2つを同時に試そうと、地上高2m程度の7MHz用のフルサイズダイポールアンテナを試作した。MMANAは、波長に比べて地上高が低いアンテナは正しくシミュレーションできないとされているが、実際、R=17Ωと現実離れした数値だった。エレメントの長さだけ参考にしてアンテナを張ってみた。傾斜地なので高さはバラバラ→給電点2m、エレメント東端3m、エレメント西端5m。遠目に見ると、若干のV字ダイポールという感じである。

 

すると、シミュレーションと近い長さで、あっけなくSWR=1.0まで下がってしまった。アンテナ張りとしては喜ばしいが、マッチングのテストは別の機会に持越しになった。

 

 

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設置編)

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設計編)からの続き

 

アンテナの同軸とのつなぎ込み部分はペットボトルとし、中にフロートバランを入れている。ペットボトルは炭酸飲料のものの方が厚みがあるので耐久性が良い。ペットボトルからの銅線とエレメントのアルミ線は、「ミラクルハンダ・アルミニウム専用」ではんだ付けしている。

 

 

 

 

 

 

 

これは設置したアンテナ全景。2本の大木をアンテナマストとして使っているのだが、写真ではかろうじてペットボトルが見分けられる程度か。ペットボトルは、右から2本目の大木の幹の中ほどに写っている

 

 

 

 

ワイヤの長さを調整する際に調子に乗って切りすぎてしまった。 実測値は、周波数MHz/SWR 21.00/1.5 21.05/1.4 21.10/1.3 21.15/1.3 21.20/1.2 21.25/1.1 21.30-21.45/1.0 21.50/1.1 21.55/1.2 21.60/1.3 21.65/1.3 21.70/1.4

写真は、21.362MHzで、50Ω(Rs=50、Xs=0)、SWR1.0になった証拠写真。シミュレーションと合う成果が出ると気持ちがいい。切り過ぎの失敗は(泣)だが…。

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設計編)

日が空いてしまったが、ようやく無線環境のメンテに取り掛かれるようになった。まずは21MHz用のV字ダイポールを作り直した。アンテナチューナなしで50Ω、SWR1.0という目標で昨年作ったMMANAのシミュレーションに対して、(1)ワイヤーを直径2mmのアルミ線にして耐久性を、(2)二段梯子で上がれる範囲でアンテナ高さを最適化、(3)大地比誘電率導電率を乾燥地に、という改良を加えた。

シミュレーション結果はこちら↓。ワイヤのV字の角度で50Ωに追い込むのは容易で、21.00~21.25MhzまでSWR1.2以下となった。ワイヤを太くしたことで、前回よりも低SWRの帯域が広がった。

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設置編)に続く

大地比誘電率とアンテナ特性の関係(MMANA)

MMANAでは、大地の比誘電率を13.0に設定したまま使っていた。比誘電率はアンテナ特性にどれぐらいの影響を与えるのだろうか? MMANAで21MHz用V字DPを設計し、比誘電率だけを変えた結果を比べてみることにした。

結論としては、(a)比誘電率が高いほどGa(利得)が増える、(b)天頂への放射が減る、(c)共振周波数、SWR、帯域への影響はほとんどみられない。 給電点までの地上高が1/2波長程度あれば、大地比誘電率は気にしないでアンテナ設計してよさそうだ。

 

比誘電率5

 

 

 

 

 

 

 

比誘電率10

 

 

 

 

 

 

 

比誘電率20

 

 

 

 

 

 

比誘電率40

大地導電率とアンテナ特性の関係(MMANA)

MMANAでは、大地導電率を5.0mS/mに設定したまま使っていた。大地導電率はアンテナ特性にどれぐらいの影響を与えるのだろうか? MMANAで21MHz用V字DPを設計し、大地導電率だけを変えた結果を比べてみることにした。

結論としては、(a)導電率が高いほどGa(利得)が増える、(b)天頂への放射が減る、(c)共振周波数、SWR、帯域への影響はほとんどみられない。 給電点までの地上高が1/2波長程度あれば、大地導電率は気にしないでアンテナ設計してよさそうだ。

 

 

 

導電率0.5mS/m=2000Ω/m

わりと乾燥してる地面

 

 

 

 

 

導電率5.0mS/m=200Ω/m

普通の地面

 

 

 

 

 

 

導電率50.0mS/m=20Ω/m

畑のような場所

 

 

 

 

 

導電率500.0mS/m=2Ω/m

水田あたりの値か?

V字DPの地上高を変えて指向特性を見る(MMANA)

いま使っている21MHz用V字ダイポールは仮設的な張リ方なので、そろそろ線が切れるなどのトラブルが起こってもおかしくない。更新にあたり、もっと損失の少ないものにしようと試行錯誤を開始した。アンテナ設計では基本的な項目なのに、どれぐらいの寄与率かを定量的に調べたことがないのが、(a)給電点の地上高、(b)大地の導電率、(c)大地の比誘電率である。これらの影響をMMANAでシミュレーションしてみた。

 

 

まずは給電点の地上高を低い方から高い方に変えた場合。

天頂方向の放射については、地上高が低いほど多く、6.0mで最小になり、以降は地上高を上げると増えた。

Ga(利得)は地上高6mで6.39dBi、8mで最大になり7.51dBi。

次のアンテナは6.0mでよさそうだ。

アンテナシミュレータに与えるパラメタ

MMANAで設計した21MHz V字ダイポールを設置したところ、エレメント長を3センチ縮める調整だけでシミュレーションと一致する成果(インピーダンス、SWR、周波数特性)を得られた←これが2011年夏の話(使用機材 FT-817ND、MFJ-269)。

欲が出て、シミュレーション結果をより正確に出そうと、MMANAに”与える”(設定する)数字について確認してみた。

  • 地上高(m)・・・影響度大。設置場所で事前に測ればよいだろう
  • エレメント半径(mm)・・・影響度中。手持ちのノギスで測れば精度は十分だろう
  • コイルのQ・・・Q≧50なら影響度なし、それ未満だと影響度中~大。Qメーターを作って測ってみたい
  • 大地導電率・・・影響度? 代表的な値を利用している。影響度の評価と、実際の計測をやってみたい
  • 大地誘電率・・・影響度? 代表的な値を利用している。影響度の評価と、実際の計測をやってみたい

単純な数字ではないがシミュレーション結果に影響するのが下記(のはず)。とくに我が家は大木に囲まれた傾斜地なので影響がどれぐらいあるかは気になるが、評価する方法から考える必要あり

  • 周囲の樹木、建物、同軸や電線
  • 土地の傾斜

アンテナ竣工写真 左:アンテナ全景というか、見えるのは設置場所の木々のみ、中:我が家のアンテナタワーは”木”、右:アンテナチューナーなしでインピーダンス≒50Ω、SWR=1.0に追い込めた