大ワット数ハンダごて新旧交代

いままで使っていたワット数の大きなハンダごては、親父からひきついだ超経年品。当局が使い始めたのが小学校時代だったが、その時点ですでに古びていたから、昭和30年代後半の製品かもしれない。
60Wの銀富士で、アンテナ線や板金のハンダ付けなど、大ワット数が必要な用途で使い続けてきた。が、寄る年波には勝てず、コードからの漏電の危機を迎えたので買い替えることにした。
何を選ぼうかとググったところ、手持ちで使うハンダごては昔とあまり変わっていない。冬の屋外で風があるという悪条件下では、60Wだとハンダが付きにくいこともあったし、そもそもワット数が違ってもハンダごての値段はあまり変わらない。そこで、新しいものは100Wの白光を選んだ。

ハンダごて新旧
上が購入した「ハッコーJUNIOR JI 100V-100W 平型プラグ」、ヨドバシドットコムで1300円(税込、ポイント10%)。
下が、長らく使ってきた、60Wの銀富士。グリップのお尻から出るコードの部分が劣化して、漏電しかかっている。変わった形のコンセントプラグだが、オリジナルかどうかは不明。

銀富士ハンダごて

 

銀富士のハンダごての銘板。この時代は、アルミ板を釘で打ち付ける丁寧な作りのものが多かった。いままでの活躍ありがとう!!

片手持ちCWパドル製作(試作編)

形状検討編からの続き。タクトスイッチ2つを無線機と接続して、実際の操作感を確認してみた。

その結果、2つのことがわかった。
①キー操作は、親指・人差指ともに、第一関節付近で押す方が操作しやすい。
②操作力0.5Nのタクトスイッチを使うと、ぼぼ無音のCWパドルになる。操作力1.5N程度のタクトスイッチを使うと、カツミのCWパドルのようなクリック感と操作音となる。

パナソニックの0.5Nのタクトスイッチが当局の好みだったので採用した。

試作CWパドル操作中

試作したCWパドルを操作中。第一関節付近でタクトスイッチを押す。

 

 

 

下記は、操作の様子の動画。文章や写真より、動画で見る方がわかりやすい。

つぎは、本番用のグリップ素材探しをしようと思う。

もっと電流を流せる電池ボックス製作

先日、1~12本可変の電池ボックスを製作したが、電池が接触する部分の接触抵抗が期待したほどには下がらなかった。電池ボックスの電極と電池の+/-極の接触圧を上げられないのが主な原因だろう。

より大きな電流を電池から取り出すために、ネジで締めて電極を電池に押し付けるような電池ボックスが欲しい。自作しようと、ググって部材調べなどをしたところ、ニーズにぴったりの電池ボックスの製造販売サイトを発見。よさそうなので3つ注文してみた。

工房モコ電池ボックス

 

工房モコで購入した「連チャン電池ボックス」(標準ユニット単価800円)。金メッキ付き接点のオプションも付けている(50円)。左上のように単三を4本セットして、ネジを締める。緩めに締めた程度でも、単三電池を抜き取ることができないほど強く接触する。

高電流用電池ボックス

 

 

 

タカチケースに入れて完成した電池ボックス。電池は、8本、10本、12本のいずれかの本数で使えるように、みの虫クリップで接点をバイパスできるようにした。

2Aでは接触抵抗をまったく気にする必要がなくなった。3Aは電池には過酷だが、この場合も接触抵抗は問題なくなった。Elecraft KX3やFT-817NDの持ち歩き時に活用する予定だ。

総務省「WRC-15暫定見解(案)」に意見書を提出した

総務省が「2015年世界無線通信会議(WRC-15)に向けた我が国の暫定見解(案)に係る意見募集」を開始した。暫定見解を読んだところ、5MHz帯のアマチュア局への開放について「新規分配については、適当でない」と結論づけている。

5MHz帯をアマチュア局に開放している国が増えてきており、わが国も開放に積極的な姿勢に変わってもらいたいので、非常時の国内通信の観点で下記のような意見書を提出した。

要約
本周波数帯を日本のアマチュア業務に開放する見解を表明するよう求めます。

理由
本周波数帯は、昼夜、季節を問わず日本国内の通信を確保しやすい特性を持っているので、非常時などにアマチュア局が行う通信に有効に活用することを期待できます(注1)。

具体的な用途としては、大地震、台風、豪雪などの災害時には、安否確認や各種支援の要請が想定されます(注2)。より日常で起こりえる道路や橋の決壊、通信ケーブル切断、長時間の停電による携帯基地局停止などでは、孤立地域との通信の確保が想定されます(注3)。

ついては、本周波数帯をアマチュア局に開放することは、幅広く国民に利便性をもたらすものなので、日本のアマチュア局への開放に向けた積極的な姿勢で見解を表明することを求めます。

注釈
注1 一例として、キューバは本周波数帯を、台風などの災害時に活用していると聞いています。

注2 東日本大震災のときは、短波帯では主に7000kHz帯で災害支援の通信が行われましたが、夜間はスキップゾーンによる通信不能が生じたと聞いています。本周波数帯を使うことでスキップゾーンを回避できると考えられます。

注3 本年12月の2回の豪雪により、電気通信事業者の通信が途絶し、連絡不能となった集落が多数ありました。このような見通し通信が使えない山間地が日本には多く、本周波数帯を利用した安否確認の手段は効果的と考えられます。

片手持ちCWパドル製作(形状検討編)

手持ちで操作するCWパドルに興味がある。以前作ったLAN延長コネクタ利用の超小型CWパドルは、右手で持ちながら左手で打つような使い方だと、メモ書きやPC操作が同時にできない。CWパドルをテーブルなどに固定すると、立ったままや歩きながら使えない。CWパドルを無線機に固定する方法だと、無線機との位置関係が固定される。

つまり自分がほしいのは、片手だけで保持と操作ができるCWパドルということになる。さっそく発泡スチロールにタクトスイッチを貼り付けて、形状の検討をしてみた。

パターン1 横打ち

第1案はピストル型グリップの左右にタクトスイッチを付けたもの。親指と人差し指を、通常のCWパドルと同じように操作する。横から見るとこんな感じ。

 

 

 

 

 

 

パターン1 横打ち

上から見たところ。指を伸ばして操作することを意識した。

 

 

 

 

 

 

 

 

パターン1 横打ち

前から見たところ。指使いを試したところ、PやXのように親指と人差し指を交互に操作する打鍵がうまくいかない。パドル全体が左右に揺れて、微妙な操作がやりにくい。

 

 

 

 

 

 

パターン2 押し込み型
そこで第2案として、厚めの発砲スチロールを、握った手のひらの形に削って、銃の引き金と撃鉄の位置にタクトスイッチを付けてみた。親指と人差し指の力のかかる方向が約45度ずれているので、親指と人差し指を交互に操作しても、互いの影響を受けにくい。

この形がよさそうなので、仮に配線して、本当にCWが打てるのかや使いやすさを確かめようと思う。

 

単三1~12本で使える万能電池ボックス製作

Elecraft KX-3もFT-817NDも、内蔵電池での運用には、電圧と電池容量の使い切り面で不満を感じることがある。あと2~4本の電池を追加できたら、電圧を上げて無線機本来の出力が得られるのにとか、電池の終止電圧になる前に無線機が低電圧で動作しなくなることを防げるのに、と思う。

そこで、単三のニッケル水素充電池やアルカリ乾電池用の電池ボックスを製作することにした。最大で単三×12本まで入れられるようにしたいが、簡単に手に入るプラスチックの電池ボックスだと、端子の接触抵抗が大きく、無線機に必要な2A程度の電流を取り出すには向かないような気がした。

電池の本数が多い場合、電池ボックスをどうするべきかをググったところ、秋月で売っている電極部だけの端子「金属電池基板取付用ターミナルクリップ 単3用」を使うのがよさそうだった。単価20円なので、電池12個分は+端子が12個、-端子が12個で合計24個=480円と安上がりである(商品に、+用・-用という区別はない)。

基板取付用電池クリップ

 

秋月電子通商「金属電池基板取付用ターミナルクリップ 単3用」。すべて金属製。2本の足を基板の穴に差し込んで曲げて固定する。

 

 

 

電池に装着したところ

 

 

ターミナルクリップを電池に取り付けてみたところ。

 

 

 

 

完成した電池ボックス

これが完成した電池ボックス。ベーク板に穴を開けてターミナルクリップを取り付け、ベーク板の裏側で銅線をはんだ付けした。

製作時には、問題も発生した。多くの電流を取り出すには、電池と強く接触するようにしたい。そのためにターミナルクリップを機械的にしっかりとベーク板に取り付けようと、足を曲げたところ、簡単に折れてしまうのである。曲げ角度と曲げ加工時にかける力の限界がわかるまでに20個ほど失敗してしまい、安く作れるという願望は消えた(笑)

この電池ケースには、単三電池を最大12本まで入れることができる。11本以下の電池のときは、みのむしクリップで空き電池部分をバイパスできる。実際に無線機で試したところ快適に使える。

ただし、期待したほどにはターミナルクリップを電池の端子に強く接触させることはできなかったので、電流を取り出すには限界がある(安い市販の電池ボックスよりは、ぜんぜんいいだろうが)。足をベーク板に固定する力が弱いことと、ターミナルクリップが意外と柔らかいためだろう。1Aなら問題なし、2Aだと影響はあるが妥協できる、試していないが3Aは接触抵抗の悪影響が出るというあたりか。2A程度までの用途で活用しようと思う。

21MHz スロープGPアンテナ(設計編)

21MHz用の垂直系アンテナを作って、既存のV字DPアンテナと比較してみようと気分が盛り上がっている。確かめたいのは、(1)低打ち上げ角のアンテナだとDXがもっとよく聞こえるようになるか?、(2)両偏波でのノイズレベルの比較(当地は低ノイズ環境なので、垂直系を受信用常用アンテナにできるか?)。

簡単そうなアンテナを見つくろったところ、スロープGPアンテナなら手早く作れそうなので、例によってMMANAでシミュレーションしてみた。既設VDP=北東・南西ビーム、ゲイン6.49dBi、打ち上げ角28.9°。スロープGP=水平面無指向性、ゲイン1.16dBi、打ち上げ角18.4°。GPはゲインが5dB不利だが、打ち上げ角は10°有利。この違いがどう影響するのか実地に試してみるつもり。

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3.5MHzダイポールアンテナ設計&設置

NVIS用に3.5MHzフルサイズダイポールアンテナを設置することにした。例によって、エレメントが建物などに干渉しない位置関係にある高木を3本探してアンテナマスト代わりにする。高木が決まったところで、平面的な位置関係と高低差を測量してMMANAで設計した。アンテナ高が波長に比べて低いとインピーダンスのシミュレーションが大幅に狂うので、20m高でシミュレーションしておいて、あとは実地調整に任せることにした。以下がシミュレーション結果。

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設置してエレメントを40cmほど切り詰めたところ、周波数MHz/SWR 3.480/1.2 3.490~3.510/1.1 3.520~3.540/1.2 3.550/1.4 と満足のいく結果になった。

局免許の再免許で1280MHz帯に注意書きが追加された

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局免許は5年ごとに再免許の手続きが必要である。1年前から申請できるので、1年前に申請したところ、10か月間は審査中のまま経過し、局免許が切れる2か月前に新しい免許状が届いた(左は電波利用システムの画面)。あまり早くから申請しても意味がないようだ。

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本題は新免許状の内容である(上が旧免許状、下が新免許状)。備考欄に「1280MHz帯の使用は、一次業務に妨害を与えない場合に限る」という一文が追加されていた(赤線部、赤線は当局が引いたもの)。

もともと1280MHz帯のアマチュア業務は二次業務である。二次業務は一次業務に妨害を与えてはいけないのは法令で定まっている。となると、わざわざ明記したということは、妨害の発生を懸念していると考えられる。アマチュア局があんまり使わないでいたら、とうとうプロに召し上げられちゃった感が漂う。

無線局等情報検索の「〇年〇月〇日現在」はアテにならない?

総務省の電波利用ホームページで無線局等情報検索したとき「〇年〇月〇日現在」と表示される。ところが、当局の免許状の情報と食い違う表示が出た。

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これが免許状。平成25年8月30日付で、1910kHz帯は「3MA」の指定を受けている(赤丸部)。

 

 

 

 

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こちらが本日(2013/9/24)検索した電波利用ホームページの表示。「平成25年8月31日現在」の表示があるが、1910kHz帯は以前の指定事項「A1A」のままになっている(赤丸部)。

 

 

 

「〇日現在」と表示されているものの、実際にはもっと古い情報が表示されている可能性がある。

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2013/10/8追記

2013/10/8に検索した電波利用ホームページの表示。「平成25年9月14日現在」の表示に変わったものの、1910kHz帯は以前の指定事項「A1A」のままで更新されていない(赤丸部)。

 

 

denpaweb20130928

 

2013/10/21追記

2013/10/21に検索した電波利用ホームページの表示。「平成25年9月28日現在」の表示に変わったものの、1910kHz帯は以前の指定事項「A1A」のままで更新されていない。

 

 

kyokumen20131012

 

2013/11/6追記

2013/11/6に検索した電波利用ホームページの表示。「平成25年10月12日現在」の表示に変わったものの、1910kHz帯は以前の指定事項「A1A」のままで更新されていない。

 

 

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2013/11/18追記

2013/11/18に検索した電波利用ホームページの表示。「平成25年10月26日現在」の表示に変わったものの、1910kHz帯は以前の指定事項「A1A」のままで更新されていない。

 

 

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2013/12/2追記

2013/12/2に検索した電波利用ホームページの表示。「平成25年11月9日現在」の表示に変わり、1910kHz帯の指定事項が「3MA」に更新された。

 

 

 

結論 ①無線局等情報検索で表示される「〇年〇月〇日現在」は免許状の内容とは必ずしも一致せず、②3か月間の表示の食い違いがあり得る--と判明した。