FT-817のファン付き置台を自作

FT-817(ND)のフロントを持ち上げる置台として、くさび形(断面が三角形)をしたゴムのドアストッパーを2つ使っている(ダイソー 105円×2個)。一方でFT-817は、5W送信で使っているとけっこう熱くなるので冷却ファンの必要性を感じていたので自作してみた。

とは言っても、ドアストッパー2つをプラ板に貼り付けて、間に小型の12Vファン(秋月電子 150円)を組み込んだだけ。ドアストッパーの上には滑り止めスポンジ(ダイソー 105円)を貼っている。

手前の下側から入った空気が、ファンによって上側に吹き上げられると、そこに電池ボックスを取り外したダイキャストフレームがある。その後、熱くなった空気はリグ下を通って後ろに出ていく。

 

こちらはFT-817を載せたところ。美しく仕上がったと自画自賛(笑)

空気の流路が狭いので冷却効率は悪そうだが、通常はファンを6Vで軽めに回せば十分だった。おかげで、ファンの風切音は気にならない。

 

PicoScopeプローブのキャリブレーション

PicoScope3206Aを昨年末に購入して快適に使っている。購入当初、プローブのキャリブレーション信号が出る端子が付いていないので外部信号源を用意する必要があると思っていた。が、遅まきながら、そんな必要はないことを知った。

PicoScopeの多くの機種がファンクションジェネレータ(FG)やAWG機能を持っている。そうした機種なら、FG/AWG信号を使ってプローブのキャリブレーションができる。このことは以前のマニュアル類に書いてなく、Pico Technology社のFAQでも外部信号源を使う方法を説明していた。

しかし最新のUser’s Manual /User’s Guideには”Compensating probes”の項目で、GEN端子(FG/AWGの出力端子)を使う詳しい手順を紹介している。新しい資料を探していて気が付いた次第である。新しいマニュアルはここにある。

 

プローブ較正の設定/手順は、(1)PicoScopeのFGウィンドウで、方形波、1kHz、P-P1.8Vに設定。(2)プローブをGEN端子につなぐ。(3)オシロウィンドウで、ACカップリング、2~3サイクルが大きく表示されるようにx-y軸を調整。(4)プローブのトリマーを回して調整、という流れがマニュアルに書いてある。

さっそくやってみた。写真は、GEN端子でプローブを較正しているところ。そう頻繁にやる作業ではないが、PicoScopeが一段と快適になった。

 

大地導電率測定・・・失敗

避雷用の接地棒を打ち込むついでに大地導電率(と接地抵抗)を測定しようと考えた。敷地は傾斜地で、30~50cmほどの腐葉土の下は火山灰や軽石という、かなり水はけのよい土壌である。導電率が低い=接地抵抗が高いと考えられるので、まずは直径1cm・長さ1mの銅の接地棒を4本打ち込んで様子をみることにした。

左図が接地棒の配置である。接地時には4本を並列につないで使うが、その前に導電率を測ろうとした。測定方法は3極法。具体的には、A-D棒間に交流電流を流し、A-B棒間の交流電圧を測ると導電率(接地抵抗)が計算できるはず。

交流電流は発電機をレオスタットに通して、0~130Vに調整できるようにした。交流電流計と交流電圧計はテスターである。

しかし失敗だった。電流計に値が出るほどには電流が流れないのである。大地の抵抗が大きすぎるので、もっと高電圧を発生させないと無理なのであろう。

レオスタットを回してA-D棒間にかける電圧を上げるにつれて、A-B棒間の電圧は0.05Vまで上がったが、発電機に挿したコンセントを抜いても同じ電圧が表示された。何らかの回り込みと考えられる。

2012/11/9 追記

測定リベンジでは、このテスターで測れるはずの電流値が得られた。ということは、このテスターに問題があり測定がうまくいかなかったことになる。テスターの回路図を見たところ、電流計200mAレンジでは250V 500mAのヒューズを経由しており、実際にこのヒューズが切れていた。ヒューズのガラス管内に小さな金属塊があることから、流した電流により切れたのは間違いない。この計測時に切れたのか、それ以前から切れていたのかは不明である。

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設置編)

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設計編)からの続き

 

アンテナの同軸とのつなぎ込み部分はペットボトルとし、中にフロートバランを入れている。ペットボトルは炭酸飲料のものの方が厚みがあるので耐久性が良い。ペットボトルからの銅線とエレメントのアルミ線は、「ミラクルハンダ・アルミニウム専用」ではんだ付けしている。

 

 

 

 

 

 

 

これは設置したアンテナ全景。2本の大木をアンテナマストとして使っているのだが、写真ではかろうじてペットボトルが見分けられる程度か。ペットボトルは、右から2本目の大木の幹の中ほどに写っている

 

 

 

 

ワイヤの長さを調整する際に調子に乗って切りすぎてしまった。 実測値は、周波数MHz/SWR 21.00/1.5 21.05/1.4 21.10/1.3 21.15/1.3 21.20/1.2 21.25/1.1 21.30-21.45/1.0 21.50/1.1 21.55/1.2 21.60/1.3 21.65/1.3 21.70/1.4

写真は、21.362MHzで、50Ω(Rs=50、Xs=0)、SWR1.0になった証拠写真。シミュレーションと合う成果が出ると気持ちがいい。切り過ぎの失敗は(泣)だが…。

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設計編)

日が空いてしまったが、ようやく無線環境のメンテに取り掛かれるようになった。まずは21MHz用のV字ダイポールを作り直した。アンテナチューナなしで50Ω、SWR1.0という目標で昨年作ったMMANAのシミュレーションに対して、(1)ワイヤーを直径2mmのアルミ線にして耐久性を、(2)二段梯子で上がれる範囲でアンテナ高さを最適化、(3)大地比誘電率導電率を乾燥地に、という改良を加えた。

シミュレーション結果はこちら↓。ワイヤのV字の角度で50Ωに追い込むのは容易で、21.00~21.25MhzまでSWR1.2以下となった。ワイヤを太くしたことで、前回よりも低SWRの帯域が広がった。

21MHz V字ダイポールアンテナ更新(設置編)に続く

なんちゃってレーザ水準器の製作

我が家のV字ダイポールアンテナは、2本の大木を使って張っている。傾斜地なのに基準となる水平線を引かずにアンテナを張ったので、アンテナが微妙に傾いたのが前回の反省点である。次のアンテナはきっちり水平に張りたいものだ。

精度は、10mの距離を誤差1cm程度で水平を出せれば十分。ペットボトル水盛りほどの精度はいらないということである。そこで、いずれも手持ちの100円ショップの水準器と2000円レーザーポインタを使ってレーザ水準器を作った。作ったといっても、2つを両面テープで三脚に貼り付けただけ。

室内(水平面と確認できている場所)の数m離れた2点、A→Bで水平を出したらB→Aで水平を取り直せば照準のズレを調べられる。ズレに合わせて、水準器かレーザポインタかの前後の両面テープを張り増して(傾きを変えて)、またA→B、B→Aの計測を繰り返してゼロインすれば調整完了。実地でも2点間を往復して水平を取れば間違いない。

 

 

 

上から見たところ。

ゼロ円にしては精度が高い。ただし、このレーザ水準器は、点しか出ないのでどこにあたっているかわかりずらい。レーザが弱いので、10mも離れると真昼間はまったく見えないから、夕方から夜用である。

接地棒を打ち込み直し

穴掘り器で掘って炭を詰め込んだアース棒は大失敗だった。約5m離れた2本のアース棒間の抵抗をテスターで測ったら2.8MΩもあった。アース棒間にたっぷり水をまいても2.3MΩまでしか下がらず、お話にならない。

2本のアース棒を抜いて、地面にハンマーで打ち込んで測りなおしたところ4.2kΩになった。これなら、浅い腐葉土の下が軽石という土質からするとまあまあである。

穴を掘って埋めるやり方だと、アース棒と地面との接触が悪いということなのだろう。接地抵抗は後日、3線法でより厳密に測りなおすつもり。

ガソリン発電機の電圧と波形をオシロで見る

AC波形の観察の最後はガソリン発電機。例によって自作のACプローブアダプタとPicoScope3206Aを使った。

最初にテスターで電圧を測定した。AC出力は108.1V(50Hz)、108.8V(60Hz)。DC出力は14.1V(50Hz)、14.2V(60Hz)。DCは変動が大きくて、テスターの値が定まらなかった。いずれも無負荷で測定。

 

発電機は20年近く前に買った SUZUKI SX800R。インバーターなんて当然ついていない時代のもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AC出力50Hz

 

 

 

 

 

 

AC出力60Hz

 

 

 

 

 

 

DC出力50Hz

オシロはACカップリングで見ているので、波形は電圧変動そのもの。1V程度の変動がある。

 

 

 

 

 

DC出力60Hz

大地比誘電率とアンテナ特性の関係(MMANA)

MMANAでは、大地の比誘電率を13.0に設定したまま使っていた。比誘電率はアンテナ特性にどれぐらいの影響を与えるのだろうか? MMANAで21MHz用V字DPを設計し、比誘電率だけを変えた結果を比べてみることにした。

結論としては、(a)比誘電率が高いほどGa(利得)が増える、(b)天頂への放射が減る、(c)共振周波数、SWR、帯域への影響はほとんどみられない。 給電点までの地上高が1/2波長程度あれば、大地比誘電率は気にしないでアンテナ設計してよさそうだ。

 

比誘電率5

 

 

 

 

 

 

 

比誘電率10

 

 

 

 

 

 

 

比誘電率20

 

 

 

 

 

 

比誘電率40

大地導電率とアンテナ特性の関係(MMANA)

MMANAでは、大地導電率を5.0mS/mに設定したまま使っていた。大地導電率はアンテナ特性にどれぐらいの影響を与えるのだろうか? MMANAで21MHz用V字DPを設計し、大地導電率だけを変えた結果を比べてみることにした。

結論としては、(a)導電率が高いほどGa(利得)が増える、(b)天頂への放射が減る、(c)共振周波数、SWR、帯域への影響はほとんどみられない。 給電点までの地上高が1/2波長程度あれば、大地導電率は気にしないでアンテナ設計してよさそうだ。

 

 

 

導電率0.5mS/m=2000Ω/m

わりと乾燥してる地面

 

 

 

 

 

導電率5.0mS/m=200Ω/m

普通の地面

 

 

 

 

 

 

導電率50.0mS/m=20Ω/m

畑のような場所

 

 

 

 

 

導電率500.0mS/m=2Ω/m

水田あたりの値か?